赤道儀と経緯台、どっちの架台を選べばいいの?
早速ですが架台選びに悩んでいる方は、こちらを参考にしてみてください。↓
まずは赤道儀です。
赤道儀を利用するメリット
赤道儀を利用するメリットは天体観測はもちろんですが、天体撮影をするときに非常に有利な点が挙げられます。
天体撮影をする場合は、天体からの少ない光をカメラに上手に取り込む必要があります。
明るい場所で撮影する場合には、カシャっとシャッターを切る感じで綺麗に写真が撮れるますが、暗い場所や光量の少ないものを撮る場合にはそうはいきません。
では、こんな時はどうするのでしょう?
例えば、ISO感度を調整する方法があります。
ISO感度の数字を大きく設定するほど光が少ない暗い条件でも撮影がし易くなります。
しかし、画質がザラザラとした荒い感じになりやすいのでISO感度を上げすぎるのも良くありません。
そこで次の方法を併用します。
それは撮影時の露光時間を調整する方法になります。
少し難しいと思う方もいらっしゃるかもしれませんので簡単に説明してみましょう。
露光時間の調整とは、明るいところで写真を撮る場合はシャッターを押したときにカシャっと音がすると思います。
これは、シャッターが開いて閉じるときに発生する音です。
カシャっという音は一瞬ですよね。
でも、暗い場所や、天体など光量の少ないものを撮る場合には、カシャっという一瞬ではカメラに取り込む光量が少なすぎるため、真っ暗な写真になりがちになります。
そこで、このシャッターが開いてから閉じるまでの時間を長くしてやることで対処していくことが有効になる訳です。
これを露光時間の調整といいます。
この露光時間を長くすれば、少ない光量でもしっかりカメラに取り込むことができます。
ISO感度を上げすぎなくともキメの細かい鮮やかな写真が撮り易くなる訳です。
でも露光時間にも注意が必要です。
露光時間が短すぎると、やはり暗い写真になりがちです。
逆に長すぎると、明るすぎて白ボケしてしまいます。
露光時間は、数秒がちょうど良い場合もあれば、数分間がちょうど良い場合もあります。
カメラが得意な人は、計器類を利用し必要な情報を得て、現場での状況を加味した上で露光時間を計算で導き出せる訳ですが、普通の人にはあまり縁のない話です。
私もそんな計算できません。
露光時間は長すぎたと思ったら短く。
短すぎると思ったら長く。
これを繰り返し、経験で撮っていく方が楽しいし簡単です。
と言う訳で、少し前置きの長い説明をしてきましたが、赤道儀の話に戻します。
赤道儀は、露光時間が長い場合の撮影にも対応しやすい架台
赤道儀は構造的に、日周運動により天体の動きに合わせ狙った惑星などを追尾できます。
(一度とらえた天体を、一方向の回転だけ追尾することができます。)
つまり、露光時間を多く必要とする撮影が必要な場合でも対応しやすいのが特徴です。
もし追尾せずに固定撮影をした場合は、天体の日周運動に合わせて星が流れて線のように写る事になります。
星が流れて線にならないように、点として撮る場合には赤道儀が有利と言うことがお分り頂けたと思います。
余談ですが、赤道儀にも手動と電動、さらにはコンピューターを使用したタイプもあります。
これは本来手動で天体追尾をするのですが、電動タイプはそれをコントローラーのボタンだけで追尾させることができます。
便利ですよね。
でも、もっと便利なのが、コンピューター(内蔵タイプや外付けタイプがあります)を使ったものだと必要な初期設定をすると、あとは数万件に及ぶ任意の星を検索し、望遠鏡を向けてくれるものもあります。
これを自動導入と言います。
この辺は機材費が20万以上します。
モータードライブのタイプならそこまでしません。
興味のある人はインターネットで検索するのも楽しいですよ。
私も買わないのに検索はよくしています。
ところで経緯台については?
と思っている方、お待たせしました。
経緯台を選ぶ理由は?
鏡筒を水平と垂直の2方向に動かして天体を捉える架台です。
つまり、経緯台は望遠鏡の向きを自由に調整できますので見たい方へ向けるだけで見たい天体が見れるのが最大のメリットと言えます。
それから赤道儀に比べると圧倒的に軽量なので持ち運びも楽に行えます。
ではデメリットは何でしょう?
感の良いあなたはお気付きですね。
そうです、露光時間の長い天体撮影には不向きです。
というのが、
構造上、天体の日周運動に応じた動かし方ができません。
つまり狙った天体の追尾が困難です。
だから、撮影時の露光時間によっては星が流れて線になります。
点として撮りたい場合にはやはり無理がある訳です。
でも光量の多い月なら問題ありませんのでご安心ください。
という訳で、赤道儀と経緯台ですが、あなたはどちらにするかイメージできてきましたか?
天体観測や月の撮影、例外としては地球上の明るい風景撮影などを目的にするなら経緯台!
将来的に天体撮影をメインに取り組みたいと考えているなら赤道儀!
これが選び方の結論です!
長々と説明してしまいましたので今回はここまで。
次回もわかり易くいきたいと思います。
それではお楽しみに!