天体望遠鏡の基本を知ろう⑤(鏡筒の種類と特徴)

どのタイプの鏡筒を選べばいいの?

いざ初めての天体望遠鏡を購入しようと思うと、最初にみんな迷うのが鏡筒タイプではないでしょうか?

下図をご覧ください。
鏡筒の種類

鏡筒の種類を大別した場合、一般的にはこの3種類が挙げられます。

A・・・屈折式 天体望遠鏡
B・・・反射式(ニュートン式)天体望遠鏡
C・・・カタディオプトリック式 天体望遠鏡

初めて天体望遠鏡を選ぶ場合には屈折式が多いようですが、最近では反射式(ニュートン式)も人気が出てきているようです。

カタディオプトリック式については、屈折式や反射式(ニュートン式)に比べると値段が高めの場合が多いこともあり、この様な人気の流れになっているのかと思います。

そもそも初めての天体望遠鏡選びの場合、自分が気に入った形のものを選ぶのがいい場合が多いです。

購入後の満足感としては、やはり好みのタイプを選んでおく方が不満が少ないと言えるのですが、それでは本当の意味で天体望遠鏡を楽しみきれないので、一応各タイプの特徴は知っておく方がいいでしょう。

その上で、もう一度どのタイプにするかを決めてみてはいかがでしょうか。

では、実際の鏡筒タイプごとの特徴はどのようになっているの?
について進めていきましょう。

まず、鏡筒ごとの特徴を知る!

屈折式の特徴

  • 対物レンズを使って光を集め、像を作る望遠鏡です。
  • 対物レンズなど、レンズを数枚使用するため重量がかさみます。
    大口径レンズになるほど重量もアップしますが、価格もアップしていきます。
  • 鏡筒内は閉じられているため、外気との温度差による像の揺らめきが少なくなります。
    その為、安定した観測がしやすいといえます。
  • 反射式に比べて扱いやすくメンテナンスも楽にできます。
  • レンズを使用しているため、その性質上、色ズレなどの色収差が生じてしまいます。

反射式(ニュートン式)の特徴

  • 反射鏡(凹面鏡)を利用し光を集め、斜鏡で反射させ、接眼レンズで拡大させる望遠鏡。
  • 対物レンズを使用せず鏡を使用しているため、屈折式に比べると天体の周りの色のにじみが無いことが特長です。
  • 暗い星や星雲・星団などの観測に威力を発揮します。
  • 大口径なものでも比較的安価に高性能な鏡筒を求める人には最適です。
  • 鏡筒が密閉されていないため、鏡筒内と外気との温度差が生じます。
    その結果、像が揺れやすくなります。
    予め外に出して温度に順応させておくことで安定した観測が可能となります。
  • 構造上、光軸がずれやすいという問題もあります。
    光軸合わせのメンテナンスが必須となるため、初心者には難しく感じることが多いです。
  • 低価格で高性能な鏡筒を求める方にはお勧めです。
  • 屈折式に比べ鏡筒が短くなりますので取り廻しが楽になります。

カタディオプトリック式(反射屈折式)の特徴

  • 反射式天体望遠鏡と屈折式天体望遠鏡の両方の良い部分を取り入れたのがこのタイプの特徴です。
  • 鏡筒の先端に補正レンズを設置してあるので、屈折式と同様に外気との温度差による像の揺らめきが少ないのが特徴です。
  • 光は背面の凹面鏡へと誘導されます。
    次に凸面鏡(シュミット補正板付近にある)に反射さます。
    最後に後方の接眼部へと導かれます。
  • コンパクトな鏡筒にしやすい。
  • 補正レンズを使用していますが、屈折式に比べると軽量かつ安価に製造されています。
    少し細かい話になりますが、
    主な方式としては
    「シュミット式」
    「シュミット・カセグレン式」
    「マクストフ・カセグレン式」があります。
    この辺は興味がある人は調べてみると面白いかもしれません。
    意外と奥深い世界がありますよ。

以上、鏡筒タイプの違いがイメージできたと思います。

口径が大きければ大きいほど明るく鮮明な像が得られます。

つまり性能がアップするにつれて価格だけでなくサイズも大きくなります。

鏡筒タイプ選びにどうしても迷ってしまう場合は、反射式のように光軸調整も必要がなく、像も安定して見られる、屈折式を選ぶのがいいように思います。

いかがでしたか?

 

鏡筒タイプ選びは迷う反面、購入までの最高の楽しみといえます。
一番ワクワクするポイントです!

ぜひ楽しみながら、焦らずじっくり納得いくまで選んでみてください。

ということで今回はここまで。

次回もお楽しみに!


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