やぎ座(Capricornus)/星座の基本を学ぼう②

やぎ座(Capricornus)

Capricornus11

和名 やぎ(山羊)
学名 Capricornus
略符 Cap
設定者 プトレマイオス
概略位置 赤経:20h50m / 赤緯-20°
面積 414平方度
20時正中 9月29日
南中高度 約34°
主な季節
肉眼星数 約80個

やぎ座

やぎ座(やぎざ、Capricornus)は、黄道十二星座の一つで、秋の夜空に見える星座です。
古代バビロニアやギリシャ神話に登場し、古くから知られている星座です。
以下は、やぎ座についての主要な情報です。

特徴

  • 位置
    赤道付近に位置し、みずがめ座いて座の間にあります。
  • 面積
    414平方度で、88の現代の星座の中で40番目に大きい星座です。
  • 明るい星
    最も明るい星はデネブ・アルゲディ(δ星)で、2.85等級です。

観測

  • 季節
    北半球では夏の終わりから秋にかけて観測しやすい星座です。
  • 主な星
    デネブ・アルゲディ(δ星)はやぎ座で最も明るい星で、観測の目安になります。

興味深い天体

  • M30
    球状星団で、地球から約27,000光年の距離にあります。双眼鏡や小型望遠鏡で観測することができます。
  • α星(アルゲディ)
    二重星として知られており、望遠鏡を使って観測すると2つの星が見えます。

神話

やぎ座はギリシャ神話の牧神パン(Pan)に関連しています。
パンは、半人半獣で下半身がヤギの姿をしており、ティフォンから逃げる際に魚の尾を持つヤギに変身したとされています。
この姿がやぎ座として天に昇ったとされています。

名前の由来

やぎ座のラテン語名である「Capricornus」は、「ヤギの角」という意味です。
この星座は、ヤギの前半身と魚の後半身を持つ姿として描かれます。

観測のポイント

やぎ座は比較的目立たない星座ですが、秋の夜空に探しやすいです。
デネブ・アルゲディ(δ星)やアルゲディ(α星)を目印にして星座の形を見つけると良いでしょう。
また、球状星団M30は望遠鏡での観測に適しています。

やぎ座は黄道十二星座の一つであり、占星術や天文学において重要な位置を占めています。
その神話的な背景や興味深い天体のため、多くの天文愛好家にとって魅力的な星座です。

ギリシャ神話では・・・

やぎ座(Capricornus)は、ギリシャ神話においても重要な星座であり、神話的な背景に興味深い物語がいくつか存在します。
やぎ座は、「山羊の角」を意味し、そのシンボルや物語は古代の神話と密接に関連しています。
以下は、代表的な神話とその背景についての詳細です。

パンとティタノマキア

やぎ座に関連する最も有名な神話の一つは、牧羊と自然の神パン(Pan)にまつわる物語です。
パンは、半分が人間で半分がヤギの姿をしており、音楽と牧歌的な生活を象徴する神です。

  1. パンの変身
    パンの物語の中で、彼がティタノマキア(ティタン神族との戦い)に巻き込まれた際に、海の怪物テュポン(Typhon)から逃れるために変身したエピソードがあります。
    パンはナイル川に飛び込み、半分はヤギの姿のままで、半分は魚の姿に変身しました。
    この姿がやぎ座の象徴とされています。
  2. ゼウスの助け
    パンはゼウス(Jupiter)を助けるためにテュポンから逃れる際にこの変身を行い、その勇敢さを称えるために天に上げられ、やぎ座として星座になりました。

プリクソスとヘレの物語

もう一つの関連する神話には、プリクソス(Phrixus)とヘレ(Helle)の物語があります。
彼らは黄金の羊(Golden Ram)に乗って逃げる途中で、ヘレが落ちてしまうという話です。

  1. 黄金の羊
    黄金の羊は、ゼウスが贈った神聖な動物で、その羊の毛皮は後にアルゴ船の冒険において重要な役割を果たすことになります。
  2. 星座の誕生
    黄金の羊はやぎ座と関連付けられることもありますが、一般的には牡羊座(Aries)として知られています。
    しかし、プリクソスとヘレの逃避行の一部がやぎ座の起源に関与しているとも言われています。

ゼウスの養育

やぎ座はまた、ゼウス自身の幼少期に関わる神話とも関連しています。

  1. アマルテア
    ゼウスは赤ん坊の頃、クレタ島でヤギのアマルテア(Amalthea)の乳を飲んで育てられました。
    アマルテアはゼウスを育てる際に、彼の命を救う重要な役割を果たしました。
  2. ゼウスの感謝
    成長したゼウスは、感謝の意を表してアマルテアを天に上げ、やぎ座として星座にしました。
    この神話は、やぎ座が保護と養育の象徴でもあることを示しています。

星座の特徴

やぎ座は黄道十二星座の一つであり、冬の夜空に見える主要な星座の一つです。
やぎ座の形状は、海ヤギ(上半身がヤギで、下半身が魚)として描かれることが多いです。

やぎ座の主要な星には以下のものがあります。

  1. δ Capricorni(デネブ・アルゲディ)
    やぎ座で最も明るい星で、視等級は約2.85です。
    黄色の巨星で、地球から約39光年離れています。
  2. β Capricorni(ダビー)
    もう一つの明るい星で、視等級は約3.05です。
    二重星系であり、地球から約328光年離れています。

星座の観測

やぎ座は、南半球の冬から秋にかけて、北半球の夏の夜空に見えます。
黄道十二星座の一つであるため、他の主要な星座とともに観測されることが多いです。

やぎ座の神話的背景は、ギリシャ神話における自然の神パン、ゼウスの幼少期、そして英雄的な物語と深く関連しています。
この星座を観察する際には、その多様な神話の背景を思い起こしながら、夜空の美しさを楽しむことができます。


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