天体望遠鏡の基本を知ろう⑥(性能表を理解するための用語)

天体望遠鏡の性能を調べるときに困っていませんか?

初めて天体望遠鏡を購入しようとするとき、性能を表す用語に馴染みがなく意味がわからないといった経験がある人も多いのではないでしょうか。

真剣に調べれば調べるときほど、分からない用語が気になってくるものですよね。

ということで、今回は性能表をもっと理解するために用語解説を中心にいきます。
基本的な用語と解説

基本的な用語解説

倍率

天体望遠鏡の倍率は、接眼レンズによって変えることができます。

『倍率』=『対物レンズ(主鏡)の焦点距離』÷『接眼レンズの焦点距離』

  • 例)
    対物レンズ(主鏡)の焦点距離:900mm
    接眼レンズの焦点距離:10mm
    の場合、
    900mm÷10mm=90
    答え 倍率は90倍

口径

口径は、『対物レンズ』や『主鏡』の大きさを直径で表したものです。
  • mm(ミリメートル)で記載されます。
    有効径:対物レンズ(主鏡)の実際に使われている部分の大きさ(直径)を言います。
  • 口径が大きいほど光をたくさん集められるので、明るい視野を得ることが可能です。
    星雲や星団などの暗い天体を観測する際は、口径が大きい方が有利といえます。

焦点距離

焦点距離は、対物レンズ(主鏡)の中心から像を結ぶ焦点までの長さ言います。
  • 接眼レンズが同じ場合、焦点距離により倍率が変わります。

口径比(F値)

焦点距離を対物レンズ(主鏡)の有効径で割った数値を言います。
  • 口径比はF値とも呼びます。
    数値が小さくなるほど、明るいレンズであることを表します。
    『口径比』=『焦点距離』÷『有効径』
  • 例)
    有効径:80mm
    焦点距離:800mm
    の場合、
    800mm÷80mm=10(倍)
    この場合、
    1:10』と表記されます。

極限等級

極限等級は何等星まで見えるかを表しています。
  • 望遠鏡では、対物レンズ(主鏡)有効径が大きくなるほど明るい視野を得ることができますので、暗い星まで見ることができるようになります。
    参考:肉眼での極限等級は6.5等星ぐらいです。

集光力

肉眼と比べて何倍の光を集めることができるかを示したものです。
  • 対物レンズ(主鏡)有効径が大きくなるほど集光力も大きくなります。
    同じ倍率の場合、集光力が高いほど暗い星まで見えるようになります。
    『集光力』=『有効径の2乗』÷『7の2乗』
  • 例)
    レンズ有効径:80mm
    の場合、
    80mmの2乗÷7の2乗
    →6400mm÷49
    =130.612244表記は130となります。
  • 数値が大きほど集光力が大きくなります。

分解能

望遠鏡や目などで見分けられる2点間の最小の距離または視角を言います。
  • 『分解能』=『116″』÷『有効径』
  • 例)
    有効径:100mmの場合、
    116″÷100=1.16″
    表記は1.16″1.16秒となります。
  • 理論上、数値が小さいほど細かいところまで見えることになります。

適正倍率

一般の観測では口径をmmで表した数から、その半分くらいの倍率が最も観測に適した倍率(適正倍率)になります。
  • 『適正倍率』=『口径』÷『2』
  • 例)
    有効径:80mmの場合、
    80mm÷2=40(倍)
    40倍位が適正倍率となります。

最高倍率

口径をmmで表した数の2倍くらいが目安となります。
  • 『最高倍率』=『口径』×『2』
  • 例)
    有効径:100mmの場合、
    100mm×2=200(倍)
    200倍が最高倍率となります。
望遠鏡は倍率が高ければ高いほど良く見える訳ではありません。
  • 口径が同じ場合、ある程度以上に倍率を高くしても像は暗くなり、ボケて見えにくくなるだけで、細かいところまで良く見えるようになる訳ではありません。

ファインダー

ファインダーは観測の対象物を視野に素早く導入するために使用します。
  • ファインダーは観測の対象物を視野に素早く導入するために使用します。
    ※使用前に調整を行なうことが必要です。

 

いかがですか?

まずはこの項の内容を覚えておくと、もっともっと天体望遠鏡選びに拍車がかかるのではないでしょうか?

今日はここまで!

それでは次回もお楽しみに。


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