や座(Sagitta)/星座の基本を学ぼう②

や座(Sagitta)

Sagitta(や座)

和名 や(矢)
学名 Sagitta
略符 Sge
設定者 プトレマイオス
概略位置 赤経:19h40m / 赤緯+18°
面積 80平方度
20時正中 9月11日
南中高度 約72°
主な季節
肉眼星数 約30個

や座

や座(やざ、Sagitta)は、北天の小さな星座の一つで、ラテン語で「矢」を意味します。
や座は、ヘルクレス座わし座の間に位置しており、星座の形が矢の形をしていることからその名が付けられました。
以下は、や座についての主要な情報です。

特徴

  • 位置
    北天にあり、わし座とヘルクレス座の間に位置しています。
    天の川の中に位置するため、星が密集して見えます。
  • 面積
    80平方度で、88の現代の星座の中で3番目に小さな星座です。
  • 明るい星
    最も明るい星はγ星(ガンマ・サギッタェ)で、3.47等級です。

観測

  • 季節: 北半球では夏の夜空に観測しやすい星座です。
  • 主な星
    • α星(アルファ・サギッタェ)
      4.37等級の星で、や座の中では比較的明るい星です。
    • β星(ベータ・サギッタェ)
      4.38等級の星で、や座の中央付近に位置します。
    • γ星(ガンマ・サギッタェ)
      3.47等級のや座で最も明るい星で、観測の目安となります。

興味深い天体

  • M71
    球状星団で、や座の中に位置します。
    地球から約13,000光年の距離にあり、双眼鏡や小型望遠鏡で観測することができます。

神話と歴史

や座は古代から知られており、ギリシャ神話では英雄ヘラクレスが使用した矢を象徴するとされています。
また、別の伝承では、ヘラクレスがステュムパリデスの鳥を倒すために放った矢とも言われています。

観測のポイント

や座は非常に小さな星座ですが、夏の夜空で探すことができます。
わし座のアルタイルやヘルクレス座を目印にして、や座の矢の形を見つけると良いでしょう。
球状星団M71は、や座の中で特に興味深い観測対象です。

や座は、小さくても魅力的な星座であり、その矢の形や歴史的な背景から天文学愛好家にとって興味深い対象です。

ギリシャ神話では・・・

や座(Sagitta)は、天球上で最も小さな星座の一つですが、ギリシャ神話においては興味深い物語と関連しています。
や座は「矢」を意味し、その名前にふさわしいいくつかの神話があります。
以下は、代表的な神話とその背景についての詳細です。

ヘラクレスの矢

や座に関連する最も有名な神話の一つは、英雄ヘラクレス(Hercules)の矢にまつわる物語です。

  1. ケンタウロスとの戦い
    ヘラクレスは、ケンタウロスのネソス(Nessus)との戦いで有名です。
    ネソスはヘラクレスの妻デイアネイラ(Deianira)を襲おうとしたため、ヘラクレスは毒を塗った矢でネソスを射ました。
    この矢には、九頭蛇ヒュドラ(Hydra)の毒が塗られていました。
  2. ケンタウロスのキロン
    もう一つの有名なケンタウロス、キロン(Chiron)は、ヘラクレスの毒矢に誤って当たり、致命傷を負いました。
    キロンは不死であったため、死ぬことはできませんでしたが、激しい痛みに苦しむことになりました。
    最終的に、キロンはゼウスに不死を放棄することを許され、天に昇り星座になりました。
  3. 天に上げられた矢
    ヘラクレスの矢は、その英雄的な行為を称えるために天に昇り、や座(Sagitta)として星座になりました。
    この矢は正義と勇気の象徴として夜空に輝いています。

他の神話との関連

や座には他にもいくつかの異なる神話が関連付けられています。
例えば、アポロン(Apollo)の矢という説もあります。

  1. アポロンの矢
    アポロンは、ギリシャ神話において弓の名手として知られています。
    彼の矢はしばしば正義や罰の象徴として描かれます。
    ある物語では、アポロンが巨人ティティオス(Tityos)を射殺した矢がや座として天に置かれたと言われています。

星座の特徴

や座は非常に小さな星座であり、面積はわずか80平方度しかありません。
しかし、その形状ははっきりとしており、夜空で容易に見つけることができます。

や座の主要な星には以下のものがあります:

  1. γ Sagittae
    や座で最も明るい星で、視等級は約3.47です。
    赤色巨星で、地球から約258光年離れています。
  2. δ Sagittae
    もう一つの明るい星で、視等級は約3.82です。
    白色巨星で、地球から約620光年離れています。

星座の観測

や座は北半球の星座で、夏の夜空に見えます。
特に七夕の時期に見られる天の川の中に位置しており、アルタイル(Altair)やベガ(Vega)とともに観測されることが多いです。
や座の矢の形状は、比較的小さな星座であるにもかかわらず、非常に特徴的で見つけやすいです。

や座の神話的背景は、ギリシャ神話における英雄的な行為や正義の象徴としての矢と関連しており、夜空における星々の配置に古代の物語が反映されています。
この星座を観察する際には、古代の英雄や神々の物語を思い起こしながら、その矢の形を楽しむことができます。


目次
星座名一覧
HOME