かんむり座(Corona Borealis)
和名 | かんむり(冠) |
学名 | Corona Borealis |
略符 | CrB |
設定者 | プトレマイオス |
概略位置 | 赤経:15h40m / 赤緯+30° |
面積 | 179平方度 |
20時正中 | 7月12日 |
南中高度 | 約84° |
主な季節 | 夏 |
肉眼星数 | 約30個 |
かんむり座
かんむり座(Corona Borealis)は、北天の星座で、その名前はラテン語で「北の王冠」を意味します。
以下は、かんむり座についての主要な情報です。
特徴
- 位置
赤道から北にかけて広がり、春から夏にかけて観測が容易です。 - 面積
179平方度で、88の現代の星座の中で73番目に大きい星座です。 - 明るい星
最も明るい星はα星(アルパラチア、Alphecca)で、2.21等級です。
観測
- 季節
春から夏にかけて、北半球ではよく観測されますが、南半球でも観測可能です。 - 主な星
- α星(アルパラチア)
2.21等級の白色の主系列星で、かんむり座で最も明るい星です。 - β星(ノーサン)
3.65等級の星で、かんむり座で二番目に明るい星です。
- α星(アルパラチア)
興味深い天体
- NGC 6235
かんむり座にある散開星団で、地球から約1,500光年の距離にあります。 - T Coronae Borealis
かんむり座にある変光星で、周期的に明るさが変わる特異な星です。
神話と歴史
かんむり座は、古代ギリシャやローマの神話に登場する王冠を象徴する星座です。
ギリシャ神話では、ゼウスがアルクメーネーに贈った王冠とされています。
また、エジプト神話においても王冠として知られています。
観測のポイント
かんむり座は、春から夏にかけて観測が容易です。
特にアルパラチアやノーサンを中心にして、星座の形を探すと良いでしょう。
かんむり座は、その明るい星と興味深い天体が観測されることから、天文学愛好家にとって魅力的な星座の一つです。
ギリシャ神話では・・・
かんむり座(Corona Borealis)に関連するギリシャ神話には、以下の物語があります。
バッカスとアリアデネの物語
かんむり座の由来として知られている物語は、ローマ神話の影響を受けたものです。
- アリアデネのかんむり
アリアデネ(Ariadne)は、ミノス王(King Minos)の娘で、クレタ島のラビュリントス(Labyrinth)を解くためにテセウス(Theseus)に助けを提供しました。
テセウスはラビュリントスでミノタウロス(Minotaur)を打ち負かし、アリアデネと共にクレタ島を脱出しました。 - バッカスとの結婚
テセウスとアリアデネは一緒にギリシャ本土に戻りましたが、後にアリアデネはバッカス(Bacchus、ディオニュソス/Dionysusとも)と出会い、彼と結婚しました。
バッカスはアリアデネに感謝し、彼女のかんむりを星座として天に置くことを決めました。 - かんむり座の誕生
その後、バッカスはアリアデネのかんむりを天に昇らせ、それがかんむり座として知られるようになりました。
かんむり座は北半球の夜空で見ることができ、その形が星座として認識されています。 - かんむり座と結びつけられる他の物語
アリアデネとバッカスの物語以外にも、かんむり座に関連する異なる神話や物語が存在します。- アリュアディスとかんむり座
もう一つの伝説では、かんむり座はアリュアディス(Aryades)という王子の物語に関連付けられています。
アリュアディスはアポロンの神託により、エウヘメリア(Euhemeria)という女性と結婚することになりました。
彼女は美しいかんむりを持っていましたが、彼女の美しさに嫉妬した他の女性たちが彼女を殺しました。
アポロンはエウヘメリアのかんむりを天に星座として昇華させました。
- アリュアディスとかんむり座
- エウヘメリアの死と天に昇るかんむり
エウヘメリアが殺された後、アポロンは彼女のかんむりを天に昇らせ、それがかんむり座として星座化されたというバージョンもあります。
この物語では、かんむり座はその美しさと悲劇的な物語に由来しています。 - 他の文化でのかんむり座
かんむり座に関連する物語は古代ギリシャに限らず、ローマや他の古代文化にも見られます。
それぞれの文化で異なる物語がありますが、かんむり座が美と悲劇を象徴する星座として広く認識されています。 - 天文学的な特徴
かんむり座は、北天の春から夏にかけて見ることができる比較的小さな星座です。
主要な星が円形に配置され、かんむりの形に似ていることからその名前がつけられました。
これらの要素が組み合わさって、かんむり座のギリシャ神話とその由来についての物語が形成されています。