ヘルクレス座(Hercules)
和名 | ヘルクレス(ヘラクレス) |
学名 | Hercules |
略符 | Her |
設定者 | プトレマイオス |
概略位置 | 赤経:17h10m / 赤緯+27° |
面積 | 1,225平方度 |
20時正中 | 8月4日 |
南中高度 | 約81° |
主な季節 | 夏 |
肉眼星数 | 約230個 |
ヘルクレス座
ヘルクレス座(ヘラクレス座、Hercules)は、北天の星座の一つで、その名前はギリシャ神話の英雄ヘラクレス(ハーキュレース)に由来します。
以下は、ヘルクレス座についての主要な情報です。
特徴
- 位置
赤道に近く、おおぐま座とおとめ座の間に位置しています。 - 面積
1225平方度で、88の現代の星座の中で5番目に大きい星座です。 - 明るい星
最も明るい星はα星(アルファ・ヘルクレス、Rasalgethi)で、3.12等級です。
観測
- 季節
北半球では夏から秋にかけて観測しやすい星座です。 - 主な星
- α星(ラサルゲティ)
3.12等級の星で、ヘルクレス座で最も明るい星です。 - β星(コルカス)
2.78等級の星で、ヘルクレス座で二番目に明るい星です。
- α星(ラサルゲティ)
興味深い天体
- M13(ヘルクレス大星団)
球状星団で、地球から約2万8千光年の距離にあります。
望遠鏡を使って観察すると、非常に密集した星々が見えます。 - M92
球状星団で、M13と同様に地球から約2万6千光年の距離にあります。
こちらも望遠鏡で観察が可能です。
神話と歴史
ヘルクレス座は、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスに関連しており、その力強い姿から星座として設定されました。
ヘラクレスは、12の偉業を成し遂げた英雄として知られています。
観測のポイント
ヘルクレス座は、夏から秋にかけて北半球の観測者にとって見やすい星座です。
ラサルゲティやコルカスを目印にして、星座の形を探すと良いでしょう。
特に、M13やM92の球状星団は望遠鏡で見ると非常に美しい天体です。
ヘルクレス座は、その明るい星と球状星団などの興味深い天体のため、天文学愛好家にとって魅力的な星座です。
ギリシャ神話では・・・
ヘルクレス座(Hercules)に関連するギリシャ神話は興味深いですね。
ヘルクレスはギリシャ神話に登場する英雄で、その多くの冒険や功績が広く知られています。
冒険や功績
- 出生と幼少期
ヘルクレスの父親は神ゼウスで、母親は人間の女性アルクメネーです。
ゼウスはアルクメネーの夫であるアルケイオスの姿を取り、ヘルクレスを生みました。
このため、ヘルクレスは半神半人の存在とされています。
ヘラ(ゼウスの妻で女神)はゼウスの浮気を憎み、ヘルクレスに対して数々の試練を与えました。 - 12の功業
ヘルクレスは有名な12の功業(ラボル)を達成しました。
これらの中には、ケルベロス(地獄の番犬)、エリュマンティスの猪、クレタ島のミノタウロス退治などが含まれています。
これらの功績は、彼の力と勇気を示すものであり、後の文学や芸術においても頻繁に描かれるテーマとなりました。 - 死と神々への昇格
ヘルクレスは最終的に自分の妻デイアネイラから送られたヒドラの毒を含んだ衣服を身に着け、苦しみの末に死にました。
その後、彼はゼウスによって神々の世界、オリュンポス山に昇格させられ、不死身の神として祀られました。 - ヘルクレス座との関連
ヘルクレス座はこの英雄にちなんで名付けられました。
座の中には明るい星や多くの銀河が含まれ、天文学的にも注目される座です。
ヘルクレスの12の功業(ラボル)
- ネメアの獅子(Nemean Lion)
ヘラクレスは鋭い爪と堅い皮を持つネメアの獅子を倒しました。 - リューマントスの怪物(Lernaean Hydra
この多頭の水蛇を倒すため、ヘラクレスは頭を切り落とし、頭が再生するのを防ぐために火で切り落とした。 - シリューンの猪(Erymanthian Boar)
ヘラクレスはこの巨大な猪を捕らえ、エリュマントス山に捕獲しました。 - クレタ島の牡牛(Cretan Bull)
ヘラクレスはクレタ島の牡牛を捕らえ、その後アテネに捧げました。 - エリュマントスの馬(Mares of Diomedes)
ヘラクレスはディオメデス王の食肉食の馬を捕らえ、アドラスティアという名前の牝牛に飼いならしました。 - 青銅の鳥(Stymphalian Birds)
ヘラクレスは、ステュムファリア湖で悪名高いステュムファリアの鳥を倒しました。
これらの鳥は銅の羽を持ち、羽ばたいて音を立て、矢を射て人々を襲っていました。 - クレタ島の雄牛(Cretan Bull)
ヘラクレスは、ミノス王のために送られてきた荒れ狂う雄牛を捕らえました。 - ディオメデス王の馬(Mares of Diomedes)
ヘラクレスは、ディオメデス王の荒々しい食肉食の馬を捕らえました。
この馬たちは人間の肉を食べることで知られていました。 - ヒッポリュテーの女王からの腰帯(Belt of Hippolyta)
ヘラクレスはアマゾン族の女王ヒッポリュテーから彼女の腰帯を取り戻すために戦いました。 - ゲリュオーンの牛(Cattle of Geryon)
ヘラクレスはゲリュオーンという三頭の巨人から牛を盗みました。 - ヘスペリデスのリンゴ(Apples of the Hesperides)
ヘラクレスは、ヘスペリデスの園から金のリンゴを取得するために、アトラスに代わって地球の重みを支えるように頼まれました。
アトラスが世界を支える間、ヘラクレスはリンゴを手に入れました。 - ケルベロスの捕獲(Cerberus)
ヘラクレスの最後の功業は、冥界の番犬ケルベロスを捕らえることでした。
ヘラクレスはヘルメスとアテーナーの助けを借りて、ケルベロスを冥界から連れ出しました。
ヘルクレスの物語は、彼の強さ、勇気、そして神々と人間との関係を象徴しています。
彼の冒険と神話は、古代ギリシャの文学や芸術においても重要なテーマであり、その影響は現代にまで及んでいます。