さそり座(Scorpius)
和名 | さそり(蠍) |
学名 | Scorpius |
略符 | Sco |
設定者 | プトレマイオス |
概略位置 | 赤経:16h30m / 赤緯-26° |
面積 | 497平方度 |
20時正中 | 7月25日 |
南中高度 | 約28° |
主な季節 | 夏 |
肉眼星数 | 約170個 |
さそり座
さそり座(さそりざ、Scorpius)は、黄道十二星座の一つで、その名前はラテン語で「蠍」を意味します。
以下は、さそり座についての主要な情報です。
特徴
- 位置
赤道に近く、夏から秋にかけて観測が容易です。 - 面積
497平方度で、88の現代の星座の中で33番目に大きい星座です。 - 明るい星
最も明るい星はα星(アンタレス、Antares)で、1.07等級です。
観測
- 季節
南半球では春から夏にかけて観測しやすい星座です。
北半球でも低緯度地域では観測が可能です。 - 主な星
- α星(アンタレス)
1.07等級の赤色巨星で、さそり座で最も明るい星です。 - β星(グラフィアス)
2.62等級の星で、さそり座で二番目に明るい星です。
- α星(アンタレス)
興味深い天体
- M4
さそり座にある球状星団で、地球から約7,200光年の距離にあります。
望遠鏡を使って見ると、星団の中心に明るい星が集まっているのがわかります。 - NGC 6231
若い星が多く集まっている散開星団で、さそり座の「北の頭」に位置しています。
神話と歴史
さそり座は、古代ギリシャやローマの天文学者によって知られており、その名前はその形が蠍に似ていることから来ています。
ギリシャ神話では、オリオン座との対立が語られており、オリオン座が沈んでいる間にさそり座が昇るという伝承があります。
観測のポイント
さそり座は、南半球では春から夏にかけて、北半球では低緯度地域で観測が容易です。
アンタレスやグラフィアスを目印にして、星座の形を探すと良いでしょう。
M4やNGC 6231の散開星団は望遠鏡を使って観察すると素晴らしい天体です。
さそり座は、その明るい星と多くの興味深い天体のため、天文学愛好家にとって魅力的な星座です。
ギリシャ神話では・・・
さそり座(Scorpius)にまつわるギリシャ神話は、主にオリオンと関連しています。
オリオンはギリシャ神話に登場する偉大な狩人であり、その美しさと狩猟の腕前で知られていました。
さそり座が夜空に現れる理由にはいくつかの異なるバージョンがありますが、代表的なものを紹介します。
オリオンとアルテミス
オリオンは狩猟の女神アルテミスと親しい関係にありました。
彼の腕前を誇示しすぎたため、アルテミスの兄である太陽神アポロはオリオンに嫉妬しました。
アポロはアルテミスを説得して、オリオンを海の中の遠くにある黒い点(実際にはオリオンの頭)を射抜くように促しました。
アルテミスがその点を射抜くと、それがオリオンであることが判明し、彼女は深く後悔しました。
オリオンを失ったアルテミスは、彼の魂を夜空に星座として配置しました。
その際、彼の命を奪った巨大なサソリ(Scorpius)も星座として夜空に配置されました。
ガイアの介入
他のバージョンでは、オリオンが地上の全ての動物を殺すと誓ったため、大地の女神ガイアが巨大なサソリを送り込んでオリオンを止めました。
サソリはオリオンを刺し、彼を殺しました。
ゼウスはこの出来事を記念して、オリオンとサソリの両方を夜空に星座として配置しました。
オリオンの死
さらに別の話では、オリオンは海の神ポセイドンの息子で、非常に強力な狩人でした。
彼はアポロの嫉妬を買い、最終的にサソリによって命を奪われました。
オリオンとサソリは夜空で対立する形で配置され、さそり座が上がるとオリオン座が沈むようになっています。
これらの神話は、さそり座とオリオン座がどのようにして夜空に現れるようになったのかを説明するための物語です。
ギリシャ神話は多様であり、地域や時代によって異なるバージョンが存在することが多いです。