みなみのうお座(Piscis Austrinus)
和名 | みなみのうお(南の魚) |
学名 | Piscis Austrinus |
略符 | PsA |
設定者 | プトレマイオス |
概略位置 | 赤経:22h10m / 赤緯-32° |
面積 | 245平方度 |
20時正中 | 10月19日 |
南中高度 | 約22° |
主な季節 | 秋 |
肉眼星数 | 約50個 |
みなみのうお座
みなみのうお座(みなみのうおざ、Piscis Austrinus)は、南天の星座の一つで、その名前はラテン語で「南の魚」を意味します。
みなみのうお座は、ギリシャ神話に登場する神話の生物であるアフロディーテの魚に由来しています。
以下は、みなみのうお座についての主要な情報です。
特徴
- 位置
南天に位置し、水瓶座やや座の南にあります。 - 面積
245平方度で、88の現代の星座の中で61番目に大きい星座です。 - 明るい星
最も明るい星はα星(アルファ・ピスキス・アウストリナ、Fomalhaut)で、1.16等級です。
南天で最も明るい恒星の一つです。
観測
- 季節
南半球では夏の夜空に観測しやすい星座です。 - 主な星
- α星(フォーマルハウト)
みなみのうお座で最も明るい星で、1.16等級の白色巨星です。 - β星(β星)
4.29等級の星で、みなみのうお座の中で二番目に明るいです。
- α星(フォーマルハウト)
興味深い天体
- NGC 7177
渦巻銀河で、地球から約1億5,000万光年の距離にあります。
望遠鏡で見ることができます。
ギリシャ神話では・・・
みなみのうお座(Piscis Austrinus)は、ギリシャ神話においても興味深い背景を持つ星座です。
この星座には、古代の神話や伝説に由来するいくつかの物語があります。
以下は、その中でも代表的なものです。
フォーマルハウトと水の神
みなみのうお座は、その中で最も明るい星であるフォーマルハウト(Fomalhaut)を中心に構成されています。
フォーマルハウトは、アラビア語で「魚の口」という意味の名前を持っており、古くから航海や農業の季節を示す星として知られていました。
ディオニソスと魚の神話
みなみのうお座に関連する有名なギリシャ神話の一つには、ディオニソスと魚の伝説があります。
- ディオニソスの救出
この物語によると、ワインと酩酊の神ディオニソスが海辺を歩いていたとき、暴れ牛(あるいはタイタン)に襲われました。
ディオニソスは海に飛び込み、魚に変身して逃れました。 - 魚の助け
一方の説では、ディオニソスが海に飛び込んだ際、二匹の魚が彼を助けました。
彼らはディオニソスを安全な場所まで導きました。
感謝の意を表して、ディオニソスはこの二匹の魚を天に上げ、星座にしました。 - フォーマルハウトの役割
この神話に関連して、フォーマルハウトはみなみのうお座の口を象徴し、神聖な魚の一つとして位置付けられました。
他の神話との関連
みなみのうお座は、他の神話や伝説とも関連付けられることがあります。
例えば、フォーマルハウトは「王座の星」とも呼ばれ、古代のメソポタミアやアラビアの伝説では王権や権力を象徴する星として知られていました。
みなみのうお座の星々
みなみのうお座は比較的小さな星座であり、目立つ星は少ないですが、以下のような重要な星があります:
- フォーマルハウト(α Piscis Austrini)
みなみのうお座で最も明るい星で、視等級は約1.16です。
青白い恒星で、地球から約25光年離れています。 - ε Piscis Austrini
もう一つの明るい星で、視等級は約4.18です。
フォーマルハウトとともに星座の形を形成しています。
星座の位置と観測
みなみのうお座は南半球の星座で、北半球では秋から冬にかけて観測することができます。
フォーマルハウトはその明るさと位置から、目印として利用されることが多い星です。
みなみのうお座は、ギリシャ神話や古代の伝説に深く根ざした星座であり、その神話的背景は夜空を観察する際に豊かな物語を提供してくれます。